国立西洋美術館 「アルチンボルド」展

今夜は、国立西洋美術館で開催中の「アルチンボルド」展をご紹介いたします。
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国立西洋美術館は、美術館、博物館等が多く集まる上野恩賜公園の中にあります。
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本館は、ル・コルビュジエ基本設計(実施設計は、坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の三名)で、昨年、ル・コルビュジエの重要な建築作品の一つとして世界遺産リストに登録されました。
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何度も行っているので、物珍しさも無く、建物自体のちゃんとした写真を撮り忘れました。。残念。

チケット売り場の列。これから行かれる方も、チケットはネット等で事前購入するのが良さそうです。
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ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、イタリア出身の画家。

神聖ローマ帝国の皇帝、マクシミリアン2世とルドルフ2世に仕えた(寵愛された)宮廷画家で、宮廷行事の演出家としても活躍しました。

ありとあらゆる物を収集するだけの財力、権力を有していた皇帝は、世界中の国々からの、珍しい種の植物や動物に関する知識の習得を競い合い、植物園や、動物園も作っていたそうです。

アルチンボルドは、皇帝が収集した資料なども活用し、花や野菜、魚や動物、食器や書物などを、ある種のコンテクストを込めて巧みに組合せ、一つの肖像画として仕上げる作品(「寄せ絵」とも呼ばれる)が特長です。

本展の目玉である《春》《夏》《秋》《冬》も寄せ絵で、「皇帝の治世の偉大さを視覚可し、世に知らしめるためのもの」という寓意を込めた、カリカチュアの一種となっており、時の皇帝を大いに喜ばせたそうです。

一方、普通に描かれた肖像画には特筆すべき物がなく、謂わば画力より演出力、構成力に優れた作家だったと感じられます。

《春》《夏》《秋》《冬》の連作『四季』は、実際には複数組(一説には六組)制作されており、今回展示されているものは、
《春》:1563年制作 マドリード、王立サン・フェルナンド美術アカデミー美術館蔵
《夏》:1572年制作 デンバー美術館蔵
《秋》:1572年制作 デンバー美術館蔵
《冬》:1563年制作 ウィーン美術史美術館蔵(春も所蔵している)
で、三組からの寄せ集め(選抜隊)です。

とは言え、実物の存在感は圧倒的で、世の中のありとあらゆる物を手中にした、時の皇帝たちを満足させるに相応しい出来映えであり、《春》《夏》《秋》《冬》を一度に見ることが出来るこの機会を、ぜひお楽しみ戴きたいと思います。

また、「だまし絵」の一形態である「上下絵」(「静物画」の様に見える作品の天地を逆にすると「アルチンボルド的肖像画」に見える)を、画家が描く作品カテゴリーとして「静物画」が一般化する前の先駈けとする説は面白いと思いました。

本展では、アルチンボルド以外の作家の作品も多く並びますが、その中には「特異な容姿を持つ人」の肖像も含まれます。

皇帝は、ついに「人間」の収集も行ったのです。遠方から、珍しい動植物を収集するように、例えば多毛症の人々を収集し、時には権力者間の贈答品として用いられることも有ったそうです。

現代では考えられないことですが、それだけの特権階級が存在したという事なのでしょう。


会場入り口横には、「アルチンボルドメーカー」なるものがありますので、こちらもお楽しみください。
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<展覧会概要>

会期:2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
     毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時
     ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、9月18日は開館)


展覧会特設サイト
http://arcimboldo2017.jp/

国立西洋美術館ホームページ
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html








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